おはようごございます!今回は”特定エリアから新しいエリアに進出する時に注意すること”について書いてみます。

会社を成長させる時、既存事業では限界が見えると新しい展開が必要になります。特に地域限定で強みを発揮している企業にとって、エリアを広げていく事は新たな挑戦になります。特定地域からエリアを広げていく時に気をつけておくべき視点がいくつかあります。

・既存事業の強みを再編集する
・強みを絞り込む

究極の質問に答える

特定地域で成長してきて企業は良くも悪くもその地域におけるプレゼンスが高い状態となっています。つまり当該地域では名前が知られていても、別のエリアでは聞いたことも無い存在という事です。つまり、これまでの強みである”名前による信頼”が全く無い状態として戦略を考える必要があります。

さらにBtoB系では”あるある”な事ですが、自社の強みを確認すると、『フットワークが軽い』、や『どんな依頼にも応えてきた』ことなど、特定地域であることの利点を生かしたポイントが出てきます。これは強みであることは事実ですが、それはエリアを広げていく上では強みにはなりません。より本質的な価値は何か?という事に言及して、流読みを整理していきます。

【訪問しないと考えたら、お客様が当社を選ぶ理由は何か?】

究極に言えば、その本質的な価値を発見することから始めます。人口が増えていたタイミングでエリアを広げる方法としては、新しいエリアで採用をして同じように飛び込み訪問などを通じて顧客基盤を作っていく、という形もあったと思いますが、今やエリアによっては採用がネックになります。

名前による信頼が無く、人的リソースを使った営業展開も難しいとした場合に、自分たちにある強みとは何なのか?それを考え、自社の強みを再編集していきます。自社が販売している商品・サービスの持つ本質的な価値とは何か。競合との違いはどこにあるか、などを再度検討する事になるでしょう。営業力は武器になりますが、新しいエリアで勝負をするのであれば、自社の強みを再編集する必要があります。

強みを顧客目線から再編集する

強みを整理するポイントも上げておきます。

・機能や性能で顧客から喜ばれているポイントを整理する
・顧客の利用シーンを分析する
・競合他社の訴求しているポイントを分析する

商品・サービスの機能や性能の中でお客様から喜ばれているポイントを整理します。実際に特定領域では選ばれている商品・サービスなので、どの機能を一番に使っているかは、顧客訪問をすれば明らかになります。最も使われている領域が喜ばれているポイントと考えて、顧客の目線で整理します。その機能を利用することで顧客が感じている効果も合わせて確認することも忘れずに行いましょう。

「〇〇機能を結構使って貰っていますけど、何が便利になりますか?」の様に自然な会話を通して声を集めることを意識します。アンケートなどの手法を用いた瞬間に、顧客は評論家に変わります。現場での何気ない会話の中にしかヒントはありません。注意しましょう。

次に使われている場面も分析します。商品・サービスをどんな場面で使っているのか。特に想定外の使われ方をしていないかを注視しましょう。それは顧客が発見した商品・サービスの新たな価値であり、それが新しい強みになることがあります。これも「ちょっと使っている現場を見せて貰っても良いですか?」という形で現場に入り、提案通りの使い方になっているかを確認します。

顧客の声や利用シーンが集まったら、競合他社のホームページやリーフレットなどに記載されているキャッチコピーを分析しましょう。成熟した市場の商品であれば、どのメーカーも代わり映えのしない打ち出しになっています。業界の大きな方向性が見えてきたら、自社の強みをどの方向性に打ち出せば、他社との違いで顧客の関心を掴めるかを考えます。

購買の習慣を意識する

少し余談になりますが、新しい市場に打って出るタイミングで考えておくべきことに、その商品を購入する顧客の習慣を知ることがあります。

・購買頻度を考える
・時流的に購入し易い流れにあるのかを分析する

購買頻度はどの程度あるのか?1年に1回は購入するのか。それとも5年に1回の購入しかしないのかによって、当該マーケットにおける規模は変わります。仮にエリア内に事業所数が100だったとします。5年に1回しか購入しない商品であれば、当該エリア内の20%のお客様しか購入ニーズがない事になります。購買頻度は非常に重要です。

そして時流の変化が起きて購入への意識変容が起こっていないかも大切です。これまでは5年に1回だったのが、制度の変更などで3年に1回になるなど。規制や制度、技術革新など時流の変化を捉えておくと、一気にエリアが広がるチャンスが到来することもあります。

他社との違いとそれを提供できる安心

強みが整理できたら、次に強みを絞り込みましょう。競合他社が伝えていないけれど顧客が喜んでくれるストロングポイントに絞り、そこだけを目立たせるメッセージを考えます。新しいエリアには後発での参入になります。他社との違いがひと目で明らかである状態を示すことが大切です。売り手の目線ではなく顧客目線で考えることも大切です。

強みを絞り込んだら、その強みを提供できる理由も必要です。そこで既存エリアで作り上げた実績を打ち出します。〇〇エリアで実績No.1や〇〇エリアの年商○億円の企業の70%が利用し続けている。。など、強いというメッセージを補完できる具体的な証拠を整理しましょう。名前で優位性の無いエリアに進出するのであれば、商品・サービスの本質的なメッセージで興味を持って貰い、実績で安心して貰って問い合わせに繋げていく。この流れを徹底して行きます。

新エリアへの展開は自社の価値の再確認作業

エリアを広げるというのは、新たな自社の価値を再確認する作業だと考えています。特定のエリアで長く商売を続けていると、”関係性”が商売における鍵になっていきます。安定した実績を出すためには、その信頼を前提としたエリアを確保するというのは王道です。

ただし、そのエリアから新しいエリアへと移行する際には、起業当初に考えた強みや競合の分析などを改めて考えます。起業の時と違うのは、既存エリアでの実績があること。それは強みになります。商品・サービスの本質的な強みと既存事業の実績を活かした戦略を描くこと。それがエリアを広げていくために考えるべき事になります。

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