今回は”ワクワクする未来が描けないと悩む経営者に知って欲しい、それがプラスである理由”について書いてみます。

経営者だけが、その会社の未来を創造することができます。だからこそ、視点を上げて視野を広げて、時流に適応した新しい未来を描ける状態であり続ける必要があります。

ある経営者の方から「ワクワクした未来が描けない」というご相談を頂きました。それまでは起業から何とか事業を成り立たせるために必死になって頑張ってきたのですが、一定の成果が生まれたタイミングから、パーパスや売上目標は掲げるものの、心に火が灯らないというお悩みでした。

未来を創造することが大切な仕事であるにも関わらず、それが上手く描けないとなると経営者は不安になります。経営者としての資質に欠けるのではないか。能力不足なのではないか。こんな自分が経営者をやっていても良いのだろうか。。。負の思考サイクルに入るとネガティブが勝ち、いずれツキを失ってしまいます。

悩みが起きるメカニズム

こうした悩みはどうして生まれるのでしょうか?

・未来ではなく今を生きることがモチベーションになっていた

ビジョンを描いたり、パーパスを定めたりと未来を創造しているように見えている経営者も、今をどう生きるかの生き残り戦略に必死になっているケースが多いのが実情です。投資家向けに素晴らしい未来を創造していると示しながらも、今を生き抜くために全勢力を集中しています。無理難題と思える課題に直面し、それを乗り越えるために知恵を出し、行動し続ける事で成長する。それが原動力となっているケースは多くあります。

それが落ち着いた時、ふと次にどうすると考えた瞬間、エアポケットの様に冒頭の不安が押し寄せてきます。ただし、これは能力や資質が欠如しているのではなく、経営者としての能力が上がったことを意味しています。実際には、それまで直面していたレベルの課題は、そのタイミングにおいてもやってきている可能性はあります。ただ、課題解決力が上がっているので、どうすれば乗り越えることができるのかが、瞬時に分かってしまいます。誰にお願いすれば良いのか。自分がどう動けば良いのか。もっと言えば、組織自体に解決能力が備わり、経営者までその課題が上がってこないという事もあります。

未来を描けないのは第二章の始まり

ワクワクする未来を描けない=第二章の始まり

ワクワクする未来を描けないということは、今を生きることから卒業し、未来を描くフェーズに入ったという証拠だと考えます。それまで描いていた未来は、経営者として成長する前の自分が描いた未来であり、それにワクワクしないのは当たり前かもしれません。

第二創業期という言葉もありますが、このタイミングからやっと、経営者が自由に未来を描くフェーズに入ることができます。このタイミングが来たら、その状態にワクワクしましょう。ここから、いよいよ未来を描く経営者の仕事が始まります。そこで大切にすべきことがあります。

未来を描くために大切な2つのこと

・時流に意識を向ける
・感性を磨くために現場主義を徹底する

未来を描くとき、何よりも大切になるのが時流です。時流適応は経営の原理原則です。未来が時流に適応しているかどうか。それを見定める必要があります。時流については”日々のニュースからその兆候を掴む。””技術革新による行動の変化に注目する””法律改正や規制強化などを把握する”などを習慣化して、意識し続けましょう。時流を掴むというのは流れを掴むことです。例えば、少子高齢化になることが分かっている日本において、コロナによる鎖国状態が続く中で、人の行動や思考はどう変容していくのか。そうした事を意識しながら日々のニュースに接していれば、その流れを掴むことができるようになります。

コロナによって著しく落ちてしまったのが経営者の感性力です。成功する経営者ほど現場主義です。気になった場所には行きます。流行っているものがあれば試してみます。会いたい人には会いに行きます。そうして現場でしか体験できない刺激を受けて感性を磨いています。

ところが、コロナによって行動が制限されています。オンライン化が進み、セミナーなどの情報収集は効率化しました。左脳的な情報は簡単に集められますが、右脳的な情報を得る機会が減っています。もしもそうした傾向を感じている経営者がいたら行動しましょう。感性を磨くためには難しく考える事なく、繁盛している。話題になっている場所に行きましょう。会える人には会いに行きましょう。それだけで気づきがあり、視野が広がります。

まとめ

ワクワクした未来を描けないのは、これまでの自分が創造した未来に到達した証拠です。次の未来はもっと自由に描くことが出来ます。そのために、時流を読み、感性を磨き直しましょう。無理に描くのではなく、自然と見つかる瞬間があります。今描けないのは何かが足りないからです。刺激を求める活動を再開しましょう。行動するその先に、経営者が自由に描く未来が待っています。

TOP