今日は”不景気型市場で大切になる固定客と信者客”について書いてみます。

これから2026年までは不景気型市場になります。経営者は、それを前提とした上でマーケットと向き合う必要があります。

固定客は何社いますか?

そうした時流の中でも特に重要になってくるのが固定客化です。ここで質問します。

あなたの会社の固定客は何社いますか?

この質問に即答できる経営者は、固定客化については意識ができています。不景気型の市場においても、問題なく対処できる可能性があります。答えられなかった経営者は注意が必要です。ケアすべき重要なお客様を把握できていないことになります。

固定客とは何でしょうか?取引規模が大きな会社や何度もリピート購買をしてくれる会社など、様々な考え方があるかと思います。それでは固定客の中でも最優先で大切にすべきは、どんなお客様でしょうか?

”何があっても裏切らず自社から買ってくれるお客様”

シンプルにはこう表現できます。こうしたお客様を信者客と表現するケースもあります。例えば、取引規模が大きなお客様で商談にはいつも声を掛けてくれるお客様はとても大切な存在です。ただ、毎回コンペになり、価格によっては自社以外からも購入してしまうお客様というのは固定客であっても、信者客ではありません。

固定客の条件とは?

経営者としては、まずは自社の顧客リストから、信者客がどの程度存在しているかを確認することから始めます。

主要な取り扱い商品は購入してくれている
②毎年何らかの形で売上が上がっている

③他社に浮気をすることもあるが、必ず商談の声掛けはしてくれる

固定客については瞬間的な売上規模ではなく、継続的な関係性を重視します。まずは上記の項目をクリアできているお客様をピックアップします。主要な商品は少なくとも購入しており、毎年少額でも口座が動いているということは最低条件です。業態によって毎年は難しいなどの声はありますが、何らかの形で継続的な取引ができる様な工夫ができないかと考えてみて下さい。”口座が動く=お客様に対して提案活動をしている”です。この動きを作り続けることができるというのが、固定客化には大切になります。

まずはこの条件をクリアできているお客様の数を認識しましょう。そうしたお客さまが極端に少ない場合は、一見様ばかりを集めてしまっていることになります。その場合は、速やかに固定客作りの方針を社内に示す必要があります。

信者客の条件とは?

固定客の中で信者客がいるかどうか。ここも大切です。

①決裁者(トップ)の直通の連絡先を知っている(会うことができる)
②他社からの提案・見積の情報を全て開示してくれる
③お願いをすれば聞き入れてくれる

固定客は会社として継続的な関係を作れているかがポイントで下が、信者客はその関係をより濃密にできているかどうかになります。少なくとも直通の連絡先を知っていて、連絡すれば会うことができる関係性を決裁者と作れているかどうか。これは非常に大きなポイントです。また他社から何らかの提案や見積りがあった際には、それらを全て開示してくれるかどうか。信者客は必ず教えてくれます。

最後にお願いを聞いてくれるかどうか。これを確認するためには、自社開催などのセミナーの勧誘などの軽いお願いことかで感度を測っていきます。決裁者が参加する。どうしても自分の参加が難しい場合は、代理を立ててでも参加する。お願いすればそうした対応をしてくれるお客様はクリアです。

固定客を把握し、予備軍を固定客化する

固定客、そして信者客がどれくらい顧客リストの中に存在しているか。それ自体が自社にとっての財産です。信者客との関係が疎遠になっていないかどうか。今一度確認をしましょう。最近訪問などの接点が取れていないと感じている場合は、真っ先に訪問してください。年末年始などのタイミングは、”ご挨拶”としての訪問が許されます。ここでお客様との距離感を測り直してください。

次に固定客予備軍のお客様を固定客化するための取り組みを始めましょう。主要な商品でまだ購入に至っていないものがあれば、積極的に営業します。継続的に口座が動いていない場合は、その方法を考えます。そうして固定客化一歩手前のお客様に積極的な働きかけをしていきます。

まとめ

固定客や信者客はその会社にとっての財産です。顧客基盤が強固になっていけばいくほど、会社は安定していきます。どうしても瞬間的に大きな売上に目が奪われてしまうことがありますが、生涯価値の高いお客様との関係を維持していくことの方が経営にとってはインパクトがあります。

固定客と信者客を把握しましょう。そのお客様に対して、改めて接点を作り、さらに関係を強固にできる取り組みを進めましょう。不景気のタイミングはブランドスイッチが発生し易い時でもあります。大切なお客様を失わないように、今できる最善を尽くすことが大切です。新規顧客の開拓から信者客作りへと思考の転換を始めてください。

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