今回は”経営者が徹底すべき考え方である”自助の法則”を整理してみた”について書いてみます。

経営者として大切な心構えの一つに自助があります。辞書的な意味は以下の様になります。
自助とは何? Weblio辞書「自助」の意味は 他人の力によらず、自分の力だけで事を成し遂げること。Weblio国語辞典では「自助」の意味や使い方、用例www.weblio.jp

経営者にとっての自助とは?

経営者にとっての自助の意味合いは少し異なります。自分だけの力だけで成し遂げらることは限られています。会社を成長させていく過程では、確実に周囲の人の力を借りる必要があります。それでは経営者における自助とは何でしょうか?それは”決定”にあります。

どんなことも決めているのは全て自分である

経営者は未来を創造する決断業です。経営者にとって重要な視点では、決定を下すのはいつも自分であり、それによって起きたあらゆる結果を”自責”として考えることができるか、ということです。上手くいっている時は自分。何か問題が起きた時には他人という考え方を持っていると、いずれツキをおとしていきます。

経営者の前には様々な課題がやってきます。それは会社が成長するに従って、難易度も上がっていきます。人間性を高めるため、あらゆる方法で経営者は試されています。そして決断をした後も、その決断が誤りだったかの様に課題がやってくることがあります。そうしたギリギリの状況に追い込まれたとしても、常に自責であるという思いを持ち続けることが大切です。

指差しの法則

私がメンターが教えて貰って大切にしている法則があります。それは指差の法則です。誰かに指を指すと、5本の指のうちの2本は相手に向いています。しかし、残りの3本は自分を指しています。これは、どれだけ自分以外の責任だと指を指しても、問題の2/5しか解決しない。3/5は自分を変えることで解決できるんだという事を教えてくれているんだ、と教わりました。

自責で考えるとしても、どう考えても外部環境など自分の責任の範囲外で起きる事象があります。それを100%自責と受け止めるというのはストレスになります。そこで、2/5は外部環境や他人の責任。ただ、問題を解決するためには半分以上を解決できる自分を変えようと考える事で、自責で考えるということが自然にできるようになります。

場を活かせているか

自助を考える上で、もう一つ大切な考え方があります。それは”場を活かす”という事です。これも”すべて自分が決めている”ことと同じなのですが、自分が今いる”場”を活かしているかどうか。それがイメージしていた姿と違っていたとしても、その場所にいる意味を見出し、活かし切っているか。それは非常に大きな視点です。

経営者にはよくある事ですが、自分が理想とする成功の形があります。しかし、経営をする上では、思わぬ所から引き合いが増え、当初想定していた形とは異なる成長を手にすることがあります。本来なら喜ばしいことのはずなのですが、「それは本来の形ではない」と否定してしまいます。これは場を活かせていないことになります。

良くも悪くも、その商品・サービスをそのお客様に販売すると決めたことも、その商品を展開すると決めたことも経営者自信です。これは自助です。ところが、それによって起きた結果を否定するのは、自責ではありません。結果として場も活かすことができず、ツキを落とし、成長は鈍化していきます。それは自分が決めたことではない。お客様が勝手に買ったんだと訴えたとしても、そのお客様に売ると決めたのは、やはり経営者です。

自助を思考習慣にする

ツキの観点から考えると、伸びている・効率的であるような領域を伸ばす事は大切です。基本は伸びている領域を徹底的に伸ばし、ある程度までやり切ったタイミングで、次の展開を考えます。これはツキの原理だけではなく、場を活かすという自助の考え方にも従う考え方です。

経営者は自助を徹底することが大切です。この思考を習慣化することで、いつも自分はどうするのか?という問いを自分自身に投げかけることができる様になります。感情が揺らされるのは他人の干渉を受け入れてしまうからです。他人の事を気にしても、直面している課題の2/5しか解決しないのであれば、半分以上の課題が解決する自分に集中した方が効率的です。

自助を身に付けると因果の法則も習得することができます。今の自分の行動の結果がいつも未来を作っている。これが因果の法則です。自分が決定している過去が今の自分であり、その決定はどの様に外部からの干渉を受けたとしても自分で決めています。原因を作っているのは自分であり、未来の自分を輝かせるためには、今の自分を変えるしかないという事が理解できるようになります。

まとめ

経営者は決断業です。自分が正しいと信じる未来に向けて、今を決断していく仕事です。だからこそ、自助の法則を身に付け、目の前にある場を活かし、自責を持って対処してください。全てを自分の責任だと考える必要はありません。2/5は自分の外に原因があります。それでも、半分以下の解決しかできない外部に目を向けるのではなく、3/5は解決できる自分に視点を向けましょう。経営判断は早くなりますし、経営者自身の人間性を高めることができるようになります。

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