今回は”ある会社との打ち合わせで気づいた不景気の兆候と対応策”について書いてみます。

景気悪化の兆候を感じた。。

景気が悪化し始めています。昨日ある会社と営業状況についてお聞きしている際に感じました。コロナの影響などを含めて状況を確認し続けていましたが、表面的には出ていませんが、徐々にその兆候が出てきたなという印象です。

・保守関連の契約が見直しになる
・決まりそうだった商談の決着が長引く

実際に起きたことは上記の2点です。よくありそうな事象にも思えますが、この会社とお客様との関係性において、これまでには無かった傾向だと感じました。保守契約が解約になることはありましたが、サービス価格が高いという理由から途中解約というのは記憶にありませんでした。商談期間も、おおよそ平均的な期間通りに決着が付いていました。

受注か失注かはありますが、決まらない状況で長引く案件が増えていました。提案している商材も投資効果が明確なものであり、先行投資にはなりますが2年程度回収でき、その後はメリットだけになる商材なのですが、それでも白黒はっきりしないという状況となっています。

不景気の心理とは

景気が悪くなると人の心理は不安になります。不安になると人は、それまでとは違う行動を起こします。

・お金の流れを見直す
・お金を使わない様にする

これは防衛本能です。家計でも同じだと思いますが、外食を控える。サブスク的な毎月出費しているお金を見直す。保険なども、このタイミングで見直すというケースが多くなります。企業でも同じです。毎月、毎年出ているお金を細かく見直します。定額でお金が出ていて、それが具体的な結果として見えないサービスは見直しの対象となります。

今回のケースでは保守サービスなので、問題が起きていないお客様であったため、特段の活動はしていませんでした。何かあればいつでも即応できる体制があるという安心が保守サービスなのですが、「何もして貰っていない」という感覚で、契約打切りの判断となりました。明らかにお客様の中で、防衛本能が働いています。

お金は使わない、外に出さない

お金は最終的にそれが効果として返ってくるとわかっていても、使わないと判断する様になります。年を跨いで効果を体感できるような商材は、単年で考えるとマイナスになります。先行きが見通せないという不安が押し寄せてくると、今の現金が大切になります。単年で回収できる商品や必需品は購入しますが、なるべくお金を使うという判断を後ろ倒しします。

・新規購入をせずに、修理で延命する
・グループ内でお金を回す

不景気になると、新しく購入するのではなく修理をして延命するようになります。リースは再リースを選択する様になります。壊れても修理をして使いますが、保証の様な保守契約はせずに修理費をスポット対応に切り替えて、変動費化するケースも多くなるでしょう。

グループ会社があれば、サービスの質などは問わずに、そちらにお願いするというケースも増えてきます。これも防衛本能ですが、お金をなるべくグループ内で環流させようという意識になります。

不景気の典型的な行動

不景気になると起きる典型的な動きというものがあり、そういう心理に入ると、これまで通りの営業をしていては対応できなくなります。お客様は大切なお金を無駄に使いたくないという意識になります。

・必需品は購入する
・壊れても修理して長く使う
・専門家から買う

時代はサステナブルと言われています。これは新しく購入するのではなく、長持ちさせる。循環させるという考え方であり、不景気の心理を隠す最高のキーワードになります。不景気の心理が内在した状態で、この言葉が浸透していくと、一気に不景気マーケットに突入する可能性もあります。

不景気に入ることを前提に考えるとすれば、まずは必需品を徹底して品揃えすることです。さらにはリペアやリサイクルなどのサービスを拡充させる必要があります。そして何より大切なことが、専門家としてのポジションを確立することです。お金を使うことに対する不安がある時、人は買い物に失敗したくないと考えます。そこで専門家から買いたいという心理になります。だからこそ、社員には徹底的に商品やサービスに対する勉強を必須としてください。専門家というポジションがあれば相談は集まります。

まとめ

時流にあった必需品や修理のサービスを拡充した上で、その領域における専門的な知識を徹底してお客様に安心を伝えることが大切です。不景気の市場では、簡単にブランドスイッチが発生します。たくさんのお客様と契約をしている会社にとっては、実は顧客流出の危機でもあります。顧客リストをもう一度見直して、疎遠になっているお客様がいないかを確認しましょう。もしもそうしたお客様がいらっしゃったら、今からでもアクションを取りましょう。大切なお客様を簡単に失ってしまう可能性のある時代がやってきました。

好景気と不景気は循環しています。不景気に入れば、その流れは一定期間続きます。だからこそ、その兆候を感じたら、不景気対応型で生き残れるように、自社も適応していく必要があります。まずは営業状況を確認し、そうした兆候が発生していないかを確認しましょう。その傾向を感じたとしたら、不景気対応が必要です。それこそが時流適応にも繋がります。

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