今回は”地方で若者が採用できないリアル!今から中小企業が対策しておくべき仕組み化とは”について書いてみます。

先日久しぶりにお会いした社長と会食をしていた時のことです。地方の現状についてお聞きしていたのですが、課題は若者の採用だという事でした。採用をしたいと考えても、そもそも優秀かどうかの選別をするまでもなく、若者からの応募が無いとの事です。

こうした現状は日本の課題として浮き彫りになっていきます。自動化や省人化が進んでいくとはいえ、やはりそこで働く人は必要です。その人材が本当に地域では見つけることができないとなると、今後どうしていく必要があるのでしょうか。

地方での採用 2つの方向性

オンライン化が進み、在宅ワークなども浸透しつつあります。家庭に入った就職経験のある子育て中の主婦など、優秀ですがフルタイムで働くことが難しい人材を活かし始めている会社もあります。ただし、幹部社員など未来を担う人材についてはオンラインではなくリアルに採用したいと考える会社がほとんどでは無いでしょうか。

今後の採用について少し整理してみます。

リアルな採用:人がいる場所に自社が移動する
オンライン採用:在宅でも仕事ができる仕組みを整える

リアルな採用を組織戦略の中核としている場合は、会社自体が若者がいる場所に移動する必要があります。人手不足が課題となった飲食チェーンの出店立地の条件に”アルバイトが採用できる”が追加された様に、採用のためには人がいる場所に動く必要があります。

本社自体を移動するのではなく、採用のために出張所や支店的な形で出店します。そこで採用ができれば、本社と支店で人事交流を行いながら、人材を獲得していきます。将来的には人材が採用できる場所の方を本社に変更するという考え方もあるかもしれません。

ただし、ビジネスモデルとして多拠点展開が可能なのかどうか。新しい場所でも成り立つビジネスなのか。事業採算ベースでの検討は必要です。それでも将来的に人材が高齢化し事業が立ち行かなくなるリスクと天秤にすれば、今からでもその準備を進める必要があります。

オンライン採用にも準備が必要

オンラインで採用していくと考えるのであれば、在宅者がリアルと同じ様に仕事ができる仕組みが必要です。当然デジタルで最適化された業務プロセスを構築できている必要があります。在宅ワーカー採用に向けた就業規則などの諸制度の整備も必要です。そして、離れていても同じ会社で働く仲間としての”つながり”を作る文化・風土作りも欠かせません。

ここでも自社のビジネスが在宅者をネットワークしても成り立つモデルなのかどうか。自社のどの業務が在宅でも対応できるのか。業務レベルでの検証が必要になります。物理的に人がいなければ成り立たないビジネスもあります。物理的に人がいなければいけないモデルであったとしたら、人が採用できる場所への移動は真剣に考える必要があります。

仕組み化の定義とチェックポイント

リアルであっても、オンラインであっても採用に向けて考えておくべきことがあります。それは自社の業務を仕組み化することです。採用できる場所に出店するにしても、オンラインで採用を行うにしても、社内の業務の仕組み化は必須です。

仕組み化する=誰でも(デジタルによって”どこでも”が追加)一定の品質でアウトプットが出せる様に設計・構築された業務プロセス

誰でも、どこでも一定の品質で成果が出せる会社の状態になっているからこそ出店もできます。つまり、リアルな採用であってもオンラインの採用であっても、会社を仕組み化しておくことは必須要件になります。

会社を仕組み化するためにチェックするポイントがあります。

・属人的な業務
・アナログな業務

会社の仕組み化を進めるためには、上記2つの業務を中心に点検していきます。例えば、この仕事は〇〇さんで無ければできない。。そんな業務があれば、積極的に解体していきます。また”〇〇という業務について検討しているんだけど。。”と話した時に、「それは私が対応しているので問題ありません」という発言が出たら、その業務は属人化している可能性があります。そうした一握りの人材が抱え込んでいる業務を洗い出します。

人手が不足する時代において、特定の人に依存する方法は、今後は成り立ちません。特定の人に特定の業務を抱え込んで貰う事は、会社としては便利な側面もありました。これまで正しかったことが逆回転する時代です。まずは属人的な業務を徹底して確認します。

紙やFAXで運用されている業務にも積極的にメスを入れます。また外出しなければいけない業務にも要注意です。紙やFAX、外出が当たり前になっている業務を点検し、デジタルの活用して新しい業務プロセスに転換できないかを検討します。こうした業務が極限まで削減できれば、その場所で働くことも不要になります。

まとめ

人が集まらない場所で仕組み化も無い会社は、今後は採用面で厳しくなっていきます。仕組み化を徹底し、誰もが一定の成果が出せる環境を整備すること。社内の業務を見直すことで、結果としては優秀な人材が採用できるようになります。誰でも対応できる様に業務自体を磨き込めば、不思議なことですが、全国から優秀な人材が手を上げて参画してくれます。

企業にとって将来を担ってくれる若者を採用することが、今後は何よりも大切になります。その為にも、まずは社内の仕組み化を真剣に検討する時代に突入しました。

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